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 肥満の種類

肥満を大きく二つに分類すると内臓脂肪型と皮下脂肪型に分かれます。
 内臓脂肪型は「りんご型肥満」
 皮下脂肪型は「洋ナシ型肥満」
とも言われます。
りんご組にも、洋ナシ組にも、それぞれ色々な体質の方がいます。
また、生活の仕方によって、なにゆえに脂肪を溜め込んでしまったのか、
その経緯も違います。

どんな肥満であろうが、基本的には過剰な摂取エネルギーを減らし、適度な運動を続ければやせますが、
ここを読まれる方の99%は
「それができたら太ってないわい」
と思われることでしょう。
効率よく脂肪におさらばするために、まず
 ・自分がどの肥満グループに属するのか

 ・なにゆえ自分はこうなってしまったのか、
をきちんと見極めることが大事です。

 内臓脂肪型肥満 と 皮下脂肪型肥満

内臓脂肪型肥満

りんご型肥満とも言われ、腹部の内臓の周囲に脂肪が貯まっている状態です。
簡単には、お腹周りが大きい人。いわゆる「ビール腹」「中年太り」
(ただし、内臓脂肪型肥満は外見的には分からない場合もあります)
厳密にはCTスキャンで腹部の適当な場所の断面像を撮影しないと確認できませんが、ひとつの目安として、BMI値が25以上で、ウエストが男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合、「内臓脂肪型肥満」である可能性があります。
特に、お腹まわりがあるのに、腹部の皮下脂肪を手でつかめないようだと内臓脂肪が増加している可能性高いでしょう。
ちなみに体脂肪計で計測できるのは皮下脂肪。内臓脂肪は計測できませんので、要注意です。

男性や中年以降の女性に多く見られます。
主な原因は食べすぎと運動不足です。
メタボリックシンドロームで問題となるのは皮下脂肪より内臓脂肪です。
糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病を合併することが多いので、健康上の観点からダイエットが必要です。
※BMI とは
内臓脂肪とは・・・
内臓のまわりにこびりつく脂肪。必要性がほとんどわかっていない余計なもの。
運動不足の人に多く、中年以降につく傾向があります。
体脂肪計では計測できません。
内臓脂肪は、血圧や血糖値を下げる働きを邪魔する物質を出し、動脈硬化を進行させ「高脂血症」や「高血圧」「糖尿病」などの生活習慣病をひき起こす原因になるため注意が必要です。内臓脂肪型肥満は健康を害す大きな要因なのです。
さまざまな病気を招く元になりますから、すぐにでも体脂肪を減らすダイエットに取り組む必要があります。
内臓脂肪は代謝が活発なので、たまりやすく減りやすい性質を持っています。
預金で言えば普通預金に例えられ、一方減りにくい皮下脂肪は定期預金に例えられます。
食生活の改善と、適度な有酸素運動の継続で、比較的減らしやすい脂肪です。


皮下脂肪型肥満

洋ナシ型肥満とも言われます。
肥満(BMI25以上)の方で、ウエストが男性で85cm未満、女性で90cm未満の場合、「皮下脂肪型」である可能性があります。
筋肉が少ない人が皮下脂肪肥満になりやすい傾向にあります。女性は男性に比べて筋肉が少ないので、皮下脂肪肥満になりやすいのです。
皮下脂肪とは・・・
皮膚のすぐ下の部分にある「皮下脂肪」は、いわばエネルギーの貯蔵庫。
病気の時など、食事で栄養をとることができないときなどにエネルギー源となります。女性の場合は、妊娠・出産時の体力維持にも活躍します。役に立たない内臓脂肪に比べて、身体の維持活動に貢献していますね。
体脂肪計で計測できるのは皮下脂肪です。

皮下脂肪は内臓脂肪に比べてたまりにくく、一度蓄積されると分解されにくいという性質があるので、ダイエットを始めると、内臓脂肪→皮下脂肪の順で落ちます。
メタボリックシンドロームなどでやたら問題になるのは内臓脂肪ですが、皮下脂肪が健康に問題はないかと言うと、そんなことはありません。つきすぎると心臓や足、腰に負担をかけたりなどの問題もあり、やはりダイエットが必要です。
皮下脂肪型肥満のダイエット
皮下脂肪は、食事制限だけでは減らすことができず、むしろ逆効果。皮下脂肪を減らしたいなら、運動して筋肉を付けなければなりません。

食事制限をしてダイエット開始直後に減るのは脂肪ではなく筋肉や水分です。
筋肉が減少すると体の代謝量が減ってしまうため、当然エネルギー消費量も減り、ある時期になると体重減少が止まってしまいます。これが停滞期と呼ばれるもので、多くの人はこの壁を乗り越えられずに挫折してしまいます。
また、少しだけ痩せたい人が「目標体重」を設定してしまうと、この時点でダイエットをやめてしまいます。
ところが実際にはダイエット前よりも筋肉量が減った、太りやすい体になっているのです。その後ダイエット前と同様に食べて、体重が元に戻ったころには、筋肉が脂肪に入れ替わっているという状態になってしまいます。これがリバウンド。
 ダイエットを繰り返す人は、ダイエットすればするほど筋肉が減って、どんどん痩せにくい体になっていきます。
本当に痩せるため、また、太らないためには、筋肉量を減らさないように、食事制限だけではなく運動を取り入れて筋肉をつけることが不可欠です。中途半端なダイエットや間違ったダイエットでは、逆に太りやすい体を作り上げています。


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