相談の多い疾患と漢方>ダイエット
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気滞 湿熱
気虚タイプ
 エネルギー不足

気虚とは体に必要なエネルギーが不足している状態のことです。

気虚チェック あてはまる項目が多ければ気虚タイプ

・疲れやすい
・食後に眠くなる
・胃腸が弱い
・かぜをひきやすい
・季節の変わり目や環境の変化で体調を崩しやすい
・体温が低い
・冷え性、
・体格は筋肉が少なく、いわゆるぽっちゃり、柔らかい肉質。

筋肉が少ないので基礎代謝が低く、人と同じ運動をしても脂肪の燃焼が少なく、痩せにくいです。
あまり食べなくても太りやすい、「水を飲んでも太る」と言われるタイプです。
通常、基礎代謝におけるエネルギー消費が最も多いのは筋肉で、基礎代謝全体の約40%を占めるとされています。
なので、筋肉が基礎代謝に与える影響は他の臓器に比べて大きいのです。

 体温が低い

気虚体質の方には平熱が低い方が多く見られますが、これが実はダイエットの大きな妨げになっています。
体温が1℃下がると基礎代謝が12%低下すると言われています。

30歳代女性を例に取ってみましょう。
30代女性のの平均基礎代謝量は1188kcal(厚生労働省 日本人の栄養所要量より)なので
1188kcal × 0.12 ≒ 142kcal 
1日当たり約142kcalの消費エネルギーが低下することになり、
142kcal × 30日 = 4260kcal の熱量が1ヶ月に蓄積されます。
1gの体脂肪は7kcalに相当しますので
4260kcal ÷ 7kcal = 608g (!)
体温が1℃下がると、同じ量のカロリーを摂っても1ヶ月に約600gの脂肪が溜まる計算です。

対策

気虚を治すには「補気」が必要です。
「補気」とはエネルギーを補給すること。

胃腸の消化吸収能力を高め、食事から効率よく栄養素を吸収できるようにすること、体温を上げることなどの体質改善を目指します。
「胃腸からの吸収を良くする」と言うと、痩せたい人には抵抗があるかもしれませんが、この段階をクリアしないと、いつまで経っても太りやすく痩せにくい体質のままです。
食事制限だけのダイエットを繰り返すと、ますます筋肉量が減って気虚が進みます。
適度な運動をして筋肉をつけることが不可欠なのですが、気虚体質の方に運動はつらいものです。
漢方薬で気虚を改善し、運動を楽しく続けられるだけの体力作りから始めると失敗せず、効率の良いダイエットができるでしょう。

漢方薬

補中益気湯、当帰養血精、三爽茶など。

胃腸の働きが弱く、体力に自身のない方には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体温が低い方や、冷え性、血色が悪く貧血気味、乾燥肌でつやがない、などの方には当帰養血精(とうきようけつせい)
などの漢方薬がおすすめです。

気を補って脂肪が燃焼しやすい体質作りを助けるダイエットハーブティーとして三爽茶はどなたにもおすすめです。
三爽茶は健康食品ですので、補中益気湯や当帰養血精などの漢方薬と併せることにより、なお効率が良くなるでしょう。

注意事項

体を冷やしてはいけません。体を冷やすような冷たい食べ物や飲み物も避けてください。
胃腸に負担をかけない程度に、ショウガなど、体を温める食品を取り入れると効果的です。

激しい運動や食事の減量はますます気虚を進ませます。
無理にエネルギーを消耗するので体力が低下し、ダイエットは続かず、体調を崩してしまうこともあります。
短期間のダイエットで最初に減るのは筋肉と水分です。
筋肉が減っているので、体重は減ったとしてもやせにくい体質になってしまいます。